10月5日(日):日々是学也
一週間単位で今は動いている。毎週、この一週間で何を達成したかを記録していこうと思う。
今週は自己愛に関して再学習しようと決めた。コフートから入るのが一番いいように思うのだが、コフートの著書に当たる前に、要約的なテキストを読むことにする。「自己心理学精神療法」を選ぶ。
同書のうちの第10章から第13章までを取り上げることにする。この4つの章をしっかり頭に入れることを目標とした。
加えて、ジョン・D・マクドナルドの『コンドミニアム』を読むことにする。上下分冊で600ページほどの大部な小説である。若い頃に購入して、挫折した本だ。心残りを残したくないとの思いで読むことにする。なんとか一週間で読み終えるようにしたい。
9月29日の月曜日は全体を学習する。上記の4つの章と、それに関連する内容のものを3つほど別の本から読む。小説の方も読む。全体で400ページほど読んだ。
9月30日の火曜日。第10章「自己愛」を集中的に読む。最初に一通り読んで、次に読みながらノートに書き、最後にもう一度全体を読む。
10月1日の水曜日。11章「鏡転移」を上記の手順で取り組む。昨日書いたノートも2,3度読み直す。
10月2日と3日は、家のことやその他の雑用に追われることになった。ずっと放置していたブログも公開した。7月8月分を公開した。それやこれやで勉強はあまりできず、二日間で書いたノートを読み直したりして過ごした。その分、小説の方が捗る。また、次週の目標というか作業内容が見えてきた。
10月4日の土曜日に12章「自己愛転移」をやはり上記の手順で取り組む。だんだん頭に入ってくるという感覚を覚える。
10月5日、つまり一週間の最終日に当たる今日ということだけれど、13章「双子転移と無境界融合転移」の章をどうにか終える。これで当初の予定はこなしたことになる。小説の方は最後まで届かず、150ページほど残ったが、これは翌週に持ち越すことにしよう。
勉強と読書だけを記したけれど、その他のことでも時間は取られる。夜勤は6日入った。だから上記はどの日も夜勤明けでこなしたものだ。言い換えると夜勤と夜勤の間の時間を縫ってなんとかこなしたものである。夜勤がなければもっと多くのことができただろうにとも思うのだけれど、安定した収入も確保しなければならず、両立はなかなか難しい。
コフートの自己心理学は一時期熱中したことがある。自己愛について学ぶならまずコフートであるが、自己愛に対するその考え方に僕は必ずしも全面的に賛同しているわけではない。ちょっとこれはどうなのかなと疑問を覚えるところなどもある。例えば、自己愛と対象愛とは別の道筋で発達するというのは頷けるのだけれど、対象愛と自己愛は関係しないのだろうか、自己愛の発達が対象愛の発達にどのように影響しているのかなど、疑問点もある。つまり、自己愛と対象愛とが、両者の発達がそれほど隔絶されたものとも僕には思えないのである。それでも、コフートがどう考えたのかは知っておかなければならないとも思う。
今回は自己愛性の転移に焦点を絞った。コフートは基礎に精神分析がある。僕自身は、精神分析学から多くを学びはしたものの、精神分析を目指していない。コフートの著作のうち、精神分析に関する部分やその治療論に関しては後々取り組んでいくことにしよう。ともかく今週は転移だけを頭に叩き込むことにした。
コフートの著作には独特の読みにくさを僕は感じている。密度の濃い文章で構成されているように感じるのだ。それを丹念に読み解くのも良しだけど、予備知識を頭に入れておいた方が理解しやすくなるだろうと思う。その意味でも今週の学習は今後の学習に役立つだろうと思う。そうして次へリレーしていき、僕の中で積み上げていきたい。
ジョン・Dの長編小説の方はなかなか難儀している。この作品は特定の主人公がいないのである。数多くの登場人物が織りなしている物語である。途中まで読むと、一度誰が誰だったかを整理する必要が生まれた。そこでちょっと足止めを食らった感じになった。それに、勉強の方を優先して、こちらを後回しにしているうちに遅れを取ってしまった。
でも、最後まで通読することが目標なので、期日内に読み終えるかどうかは二の次だ。一週間で読み終えたいと思うのは、早く読み終えて次の本に取り掛かりたいからに過ぎない。翌週に持ち越してもなんら支障はない。
そんなこんなでこの一週間の学習を終えた。毎週、こうして自分が何を学んだかを記録していけたらいいと思う。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

