9月4日:日本の下落 

9月4日(木):日本の下落 

 

 あまり代わり映えしない日々を送っている。我ながらそう思う。 

 

 今日も夜勤明け。いつもとシフトが異なる。二店舗移動する。それはいいのだけれど、毎週この曜日にやってる仕事というものがあって、それをこなすために残ってやらざるを得なかった。移動がなければ時間内に終えることができたのに、非常に腹立たしい。サービス残業になるわけだ。 

 一人、仕事のできない人間がいると、こうも周囲に迷惑がかかるものなのだ。自分もせめて一人分の仕事くらいはこなせる人間になりたいと思う。 

 

 ドイツはGDPで日本を追い抜いたそうである。ドイツが上がったというよりも、日本が低下したという方が正しいようである。それでも、ドイツは日本人よりもトータルでの労働時間が短いそうである。 

 テレビで報道された限りでは、ドイツ人は効率よく働こうとするらしい。日本人は丁寧だが時間をかける傾向があるということのようだ。僕が思うに、どちらがいいかといった話ではなく、効率よく進めるところは進めて、時間をかけるべきところには時間をかけてというのが望ましい。問題はその区別をどうつけるかであるとも思う。 

 日本人がどうして非効率的になるのか、僕はいくつかの要因があると思っている。一つは怠惰である。日本人は勤勉であると信じられているが、勤勉なのは一部の人だけである。それ以外の人はさほど勤勉でもない。児童期の発達課題をこなせなかった人も大勢いるのである。 

 もう一つは完全主義である。今朝もバイト先で僕は経験した。僕は什器などのフィルターを清掃する。はけで表面の埃を取り除く。僕はそれで十分だと思っている。ところがリーダー格の人は水洗いしろと言う。水洗いした場合、きっちり乾かしてから設置しないといけないと僕は思う。そうでないと水滴の部分に埃が詰まるからである。リーダーはそんなことはないと否定するのだけれど、その人に機器のことがどれだけ分かっているだろうか。加えて言うと、水洗いするにはスペースがない。1枚2枚ならまだしも、少なくとも18枚はしなければならない。相当な時間がかかるだろう。フィルター清掃にそこまで時間をかけるわけにはいかない。他の業務に支障が出るからである。 

 僕自身は、フィルターそのものはきれいにしなくてもいいと考えている。フィルターとして機能する程度にきれいになれば十分である。それに、これは頻度の方が重要だと考えている。週に1回必ずこなすようにしているが、一度ピカピカにして後が続かないよりも、毎週そこそこきれいにする方がましであると思う。 

 僕はそのリーダーの言うことなど聞かない。ああいうリーダーが生産性を下げるのだろうなとも思う。そもそもフィルターを水洗いしろというのは本部が推奨しているわけでもない。そのリーダーの個人的な要望でしかない。もう一つ言えば、僕はその人は要求がましいと見ている。口唇期固着が強そうだとさえ思っている。 

 まあ、それはともかくとして、上の人間がそういうことをやってると全体の生産性は下落せざるを得ない。一店舗でのエピソードだけれど、同じような話は全国どこの店舗でも事業所でも見られる光景だろうと僕は思っている。 

 

 あと、生産性を高めるためにはお互いに協力しあわないといけない。コンビニの駐車場でゴミを散らかす人もいる。その後始末を店員がするのであるが、これも労働力の蕩尽である。ゴミをゴミ箱に捨てるだけで、店員の手間が省け、その分、その他の業務を手がけることができる。少しのことで生産性を高めることができるのだ。迷惑行為一つなくなるだけでも大違いである。 

 一人一人の心がけで我々の生産性は高まるはずである。 

 

 それにしても、日本のGDPは、ドイツに追い抜かれて、現在世界4位ということであるらしい。世界4位と言えばまだ高い方である。その割には日本は貧困国である。僕も裕福ではないが、もっとひどい境遇で暮らしている日本人は数多くいる。経済国であるのに貧困国であるという、この矛盾はどうにかならないものだろうか。 

 物価高騰もあるけれど、それ以上に賃金が上がらないということの方が問題である。経済発展しないと生活がどうなるか、今の日本人はそれがよく分かるようになったのではないか。 

 

 GDP5位や6位はどこの国だろう。その国の人たちの方が今の日本人よりもいい暮らしをしているのではなかろうか。いずれ日本はそれらの国にも追い抜かれることだろう。日本の下落はまだまだ続きそうに思う。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

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