9月22日(月) :日々のこと
ブログを書いておこう。日々の体験や思想を書き残しておこう。書いて、言語化しないと、それらは忘却され、僕の中から失われてしまいそうだ。内的な事柄が失われていくのを僕は一番に恐れる。
世界陸上は昨日で終わったらしい。やってるのは知っていたけれど、まったく情報は僕の中に入らないまま終わった。もっとも、スポーツはほとんど興味がないのだから当然と言えば当然である。それでも世界で起きていることに関しては関心を持っておかないといけない。僕もまた世界に生きる人間の一人であるならば、世界に対して心を閉ざすことは、自分自身に対して心を閉ざすことにもつながってしまうからだ。
自民党総裁選のことも話題だ。今回は5名が立候補している。だいたい前回の総裁選で出馬した人たちであるそうだ。前回と違うのは、総裁になった人が総理大臣になれるとは限らないことだ。自民党が議席の過半数を占めていたら、総裁になった人が総理になる確立が高かったのだけれど、今回はそうではない。だから次の総理が誰になるかはまだまだ不明だ。もっとも、誰がなろうと変わらないだろう。変わるとしても、それはゆるやかな変化であるだろうから、僕の存命中にその変化を体験できるかどうかは覚束ないと思っている。
その他、一応ではあるものの、ニュースなどには目を通している。大阪万博も黒字になっているそうだ。僕は万博に反対していた一人なので、決して万博の地には足を踏み入れないと誓っている。僕の方も初志貫徹できそうである。
世界で起きているあらゆる事柄はすべて自分とつながっているとはいえ、今はどうしても自分に制限を加えざるを得ない。自分が取り組む事柄を限定し、少し自分自身を凝縮させていく必要を感じている。あらゆる事柄に関心を向けていると、自分自身が散漫になってしまいそうだ。今の僕にとって本当に必要なものだけに興味を絞り、そこだけに時間を使い、心的エネルギーを備給していく。
アルバイトの方はいささかウンザリしている。僕の場合、多少は人前や社会的な場面に顔を出す必要がある。それでも、そろそろ辟易し始めている。
客を見ているのは面白い。先日、よく来られる年配女性の客から声をかけられた。その人はどうも親しい人があまりいないようである。週末になると一人で来て、買い物して、時間を潰してお帰りになられる。それで初めてその人から声をかけられ、少しばかり会話をしたのだけれど、なるほどと思う。この人に友達がいないのが頷けるというものだ。言葉のはしばしで嫌味たらしいニュアンスが漏れ出ている。本人は悪くないとしても、会話すると不愉快な気持ちにさせられるというタイプの人だろう。敵意や怒りの抑圧が不十分なのだろう。
最近、愛想よくしてくれる女性客もおられる。帽子を被っておられるけれど、何か理由があるのか、坊主頭の女性だ。髪型はそんな感じだけれど、かわいらしい顔をしておられる。愛想がよく、接客していると僕の方も気持ちがいい。感じのいい人だ。人間のルックスなんてどうでもいいことのように思えてくる。
仲良く買い物をされている夫婦なんかを見ていると、少しばかり羨ましくもある。一方で、この人は独り者だなと、すぐわかる客も多い。結婚できる人とできない人とでは、世間が思っている以上に、違いがありそうだ。
一番くじとか、ポケモンとかのカードとか、あるいはお菓子の付録についているカードとか、そういうのを集める人もある。まあ、個人の趣味なのでそれでいいんだけれど、ああいうのに大金をはたくってのは、どうも受け入れがたい。そこまで熱心にならなくてもよさそうなのに。それに人生にはもっと大切なことだってあるはずだろうに。なんだか虚しい人たちに見えてくる。
店の仕事には辟易し始めているけど、客を見ているのは楽しい。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

