6月27日(金):今日の一日と夢
また何日かブログを書くのを怠ってしまったな。よくないことだ。読む人がいなくても、僕自身の生の記録として残しておきたい。僕も日々生きている。その中で体験していることも数多くある。それらは語られなければ僕自身のものになっていかない。
予め言っておこう。これは28日の土曜日に昨日のことを思い出して書いているものである。これを言っておかないと、どうして寝ながら書けるのかなどと怪しまれるだろうから。
僕は高槻へ出る用事があった。朝は少々ゆっくりしたので、出発が遅れた。遅くなるほど「今日は止めとこうか」といった気持ちが生まれてくる。動くときには速やかに動かないと気持ちが揺れ動いてしまう。
なんとか午前中には高槻に到着した。電車の中で読んだ短編小説が妙に僕に突き刺さった。その小説のことを考えたい気持ちが生まれているのだけれど、僕のそう欲求は先送りだ。先にやるべきことをやっておこう。
用事自体はすぐに終わるものではあった。毎月の支払い関係のことをやる。銀行を回り、コンビニ振り込みのものはコンビニで支払う。
そう、このコンビニ店員がなっていなかったな。レジは2台。店員も二人いる。客が並んでいるのに、もう一人の女性店員がレジを開けようとしない。「お待ちのお客様、こちらへどうぞ」と言えばいいだけなのに、それが言い出せないようだ。きっと新人さんなんだろうな。それとも僕が怖い人に見えていたのだろうか。
僕は前の人のレジが終わるまで待って、支払をする。このレジを打った店員も新人さんなんだろうか、ああいうやり方をする人を僕は初めて見た。振込用紙はたいていは3つに分かれている。バーコードがついているものと、店舗控えと、領収証とだ。客はこの領収証に捺印されて手渡される。それぞれの用紙の間にはミシン目が入っていて、そこで切り離せるようになっている。
その切り離しである。折り目をつける人もあればつけない人もある。この店員さんは折り目をつけた。そこまではいい。僕もそうする。そして、僕なら少し切れ目を入れて、左右に割くようにして切る。この店員さんはそれを縦に切ろうとするのだ。そういうやり方をする人はあまりいないのではないかと思う。おかげで領収書を切り離すってことだけにもけっこうな手間がかかった。
まあ、あまり他の店員さんのことは言わないでおこう。
職場に戻り、気になっていた短編小説のことを考える。もう一度ざっと再読する。なぜ、この作品が僕に突き刺さるのか、何がそこまで僕を惹きつけるのか、僕なりに考察してみる。パソコンを持ってきていたら読書評にしたためるところだった。パソコンは家に置いてきたので、ここではそのメモというか覚書のようなものをしたためておく。
その後は、少し室内の掃除などをする。
デスクの下に週刊誌が積んである。昨年はチョクチョク週刊誌などを買っていた。面白そうな記事があれば、買って読んでみたものであった。少しでも時代の感覚に追い付こうという気持ちもあった。
それらを引っ張り出して、パラパラと目を通す。内容はすべて昨年のものであるが、すっかり忘れ去ってしまっていた事柄もある。この事件って昨年だったんだと思うこともある。一年でもずいぶん昔に感じられることがあるものだ。個人の時間体験は現実の時間とはかなりの隔たりがあるものだと改めて思う。
しかし、ああいう週刊誌とか雑誌の類はその時だけのものだと僕は思っているのだけれど、一年後くらいに読み直してみるのもいいかもしれないと思った。記事は昨年のものだとは言え、新たに考えることもあれば、記憶を新たにすることもある。予測が外れているっていう箇所にも遭遇する。来年はこうなるだろうなどという予測が案外外れていたりする。どんな専門家でも一年後のことでさえ確実なことは言えないものだと改めて思う。
さて、この週刊誌類の束をどうしようか。処分していいのだけれど、残しておきたい記事はスクラップしようかとも考え始めている。なんでも資料として残しておきたい気持ちが僕の中にある。いつかどこかで役に立つかもしれないなどという気持ちが生まれてしまうのだな。こういう時だけ将来への時間感覚が生まれるのだから困ったものだ。でも、せっかく買った本だから、有益と思える記事は切り取って残しておこうとは思う。こうして来週の仕事が増えるわけだ。
そうこうするうちに午後遅くなった。お昼も食べていない。空腹感が生まれる。どこか食べに行こうかとも思うが億劫でならない。タバコも切らしたのでコンビニに行く。いつも行くローソンだ。
そこで買い食いして、おまけに暑かったのでついつい冷たい缶ビールなどに手が伸びてしまう。ローソンの駐車場の端っこの方で立って飲食するのだ。止めとけばいいのに、つい2本目、3本目とお酒に手が伸びてしまう。
飲みながら、食べてはタバコを吸い、また飲み、そして考え事をする。考えることは無数にある。しかし、思索(と言えるものでもないけど)も疲れてくる。話し相手でもほしいところだ。同じように駐車場で座り込んで飲食してる若者グループがいて、ちょいと話しかけてやろうかいなとも思ったが、それは止めておいた。「変なおじさん」みたいな振る舞いは止めておこう。
周囲に話し相手がいないので、Oさんに、特に用もないのに、ラインを打ってみる。くだらん内容のものだ。こういう時、自分が独りであることを痛感してしまう。なんとも惨めな気持ちに陥る。
ローソンを後にする。駅へ向かう途中で飲み友達の一人とバッタリ遭遇する。今から呑みに行くのかと僕は彼女に尋ねる。彼女は買い物だと言う。それならしょうがない、僕は帰ることにしよう。
この日、本当は夜は飲みに行く予定でいた。彼らの集まる店だ。当初の予定では今日は夜勤がなかったのだ。急遽、それが変更になって、僕は夜勤をすることになったのだ。その代わり、開始の遅い勤務だ。だから夕方に飲んでいられるわけなんだけれど。
電車に乗り、帰宅。特に急がないので各駅停車に乗る。座って、ゆっくり帰ればいいやと思った。隣に若い女性が座ったりすると身が縮む思いがする。酒臭い(その他の臭いもある)おっさんが隣にいるとさぞかし不愉快に思うだろう。なんとも申し訳ないような気持ちに襲われてしまう。
帰宅後は、少し食事をして、そのまま布団にもぐりこむ。そのまま深夜まで寝込んだ。
寝ている間に夢を見た。次のような夢である。
それまでの経緯は不明であるが、僕は広い会議室のような場所にいる。大きな会議室のようにデスクが長方形型に並べられている。でも、そこで行われようとしているのは、会議ではなく、宴会だった。まだ準備の段階で、部屋の端の方では調理したり、盛り付けをしたりする人たちもいた。何人かは席についていて、談笑していたり、すでに料理を食べている人もいた。
なんの集会かは分からないのだけれど、3つのグループの合同の宴会ということであった。
ここでは参加者それぞれに特別な一品がプレゼントされることになっていた。僕が長方形の角っこの席に着くと、調理していた人が僕を呼んで「これ68番(63だったかもしれない)さんに持って行って」と言う。参加者それぞれに番号がついていて、68番さんの一品ができたので配膳してくれということだ。
僕はその68番さんにそれを持っていく。68番は若い女性で、どういうわけか親しい間柄であった。僕は彼女に一品を手渡す。卵料理のような感じの一品だ。「それ美味しそうやな、いいなあ」などと僕は言って、それを彼女に手渡す。彼女も何か答えたように思うのだけれど、覚えていない。
再び席に戻る。近くにいた参加者たちから、僕はグループ移動になったことを教えてもらう。今所属しているグループから「ボウノイチ」グループへ移ることになったという。これは一つ上のクラスに上がることを意味していた。そのことは僕には初耳だった。その人は廊下の掲示板に張り出されてると教えてくれる。
僕はそこに行ってみる。その会議室のような部屋と隣の部屋をつなぐ廊下の壁に張り紙があって、僕が移動することが記されていた。僕がその張り紙の前に立っていると、何人かは賛辞を寄越してくれ、何人かは妬みを表現したように思う。いずれにしても、僕にとっては身が引き締まる思いがして、一つ上に上がるのだからその準備をしなくてはなどと思い始めていた。
以上が僕の見た夢だ、その続きもあったかもしれないが、覚えているのはそこまでだ。
いろいろ連想するところのものもある。3グループ合同というのは、僕のカウンセリング研修時代を思い出す。あの時も全体が3班に分けられ、月に一回は合同のケース検討会が催されていた。会議室で机を長方形型に並べて行われていた。夢はその情景に似ている。
夢ではそこが宴会会場になっているわけだが、その宴会はまだ始まっていない。これから賑やかな何かが僕に生じてくれるといいとは思うのだが、夢の感じではまだまだ始まりそうもない様子だった。
一人一人に特別の一品が贈与される。僕がどんな一品を受け取るのかは不明だ。68番、もしくは63番の女性に僕はそれを運ぶ。68とか63という数字に思い当たるものがない。年齢とすれば、68は15年後、63は10年後ということになる。なんだかその年齢でイベントが起きるのかな、などとも思うのだけれど、それにしてもずいぶん先の話だ。
僕はグループを移籍する。「ボウノイチ」っていうような名前のクラスだ。なんだろうこの名前は。これを書いている時点ではなんの連想も湧かない。
それは僕にとって一つ上のクラスの昇進することでもあった。周囲の人の反応は覚えているのに、その時の僕自身がどんな感情であったかは不明である。準備をしなければと思ったのだから、緊張感が強かったのかもしれない。上に上がるためには身を引き締めなければならないということであろうか。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)