11月20日(木):二日の停滞
昨日と今日は何かと不毛な日を送った。
両日とも、朝まで深夜勤務をこなし、それから寝て、昼から活動といくところだった。
昨日はテレビで映画を観てしまった。『惑星ソラリス』である。BSで放送されるのだ。これを見るかどうかでずいぶん迷った。レムの原作は僕が19歳頃に読んだことがある。面白いとは思ったが、よくわからないやってところもいくつかあった。それが当時の感想だ。映画化されていたのは知っており、見てみたいとも思った。映画の方はどういうわけか、これまでまったく縁がなかった。いつか見てみたいと思いながら30年以上過ぎたのだが、それが今日は見ることができそうなのである。
難点は映画の時間だ。3時間近くある。13時から16時までだ。これで悩む。その時間を確保することと、3時間もテレビの前で座っていられるか自信がなかった。
でも、思い切って見ることにした。実にいい映画だった。ソ連の俳優さんたちは僕はよく知らないんだけれど、みんなよく演技をするな。ハリー役を演じた女性なんて名演技だと思った。
この映画を評したいのだけれど、難しい。というのは途中、何度かウトウトしてしまったからである。大事なところを見落としたりしているかもしれない。それでも、僕が見た範囲に限って言えば、すごくいい作品だ。
映像によるイメージが重要になると僕は思った。冒頭、水中に生息する水草の映像が映るが、知的生命体の海というソラリスを表していないだろうか。自動車が長いトンネルを抜ける。なぜかこれは日本が舞台だ。首都高速の映像が挟まれる。トンネルを抜けて、視界が開けて、都市に出る。夜になっている。長くて複雑な構造のトンネルを抜けて、開眼できた時には夜(人生の終末)になっているということだろうか。悟りを開くときにはすでに遅すぎているということだろうか。
ソラリスは地球人の波長からその人物に縁のあった人間になる。地球人の中にあるイメージを具現化するのだ。主人公の心理学者の前に10年前に自殺した妻が現れる。この妻は、一方では、彼の罪悪感を掻き立てる存在でもある。彼は人間にとって心の平穏とは何か、科学とは何か、さまざまな疑問に取り組むようになっていく。ラストは、地球ではなくソラリスの海の孤島にて、主人公は父親と和解していく。
長年見たいと思っていた映画だったのに、ちゃんと見ることができなかったのが残念だ。こうなるなら見なかった方が良かっただろうか。いや、そちらの方が後悔するだろう。途切れながらでも見た方がやっぱり良かった。
そういうわけで、昨日の午後からやる予定だった作業は今日にずれ込んだわけである。
ところが、今日は今日で困ったことが起きた。昼食を食べた後、どういうわけか激しい動悸に襲われた。苦しいと思った。横になって安静にする。動悸が激しく打つ。横になりながら、僕は心臓発作なんかで、案外、ポックリ逝ってしまうかもしれないな、などと思い至る。それが今この瞬間に来たとまでは思わなかった。本当に死に至るものなら、もっと苦しいはずである。
現在の僕の活動時間は、深夜勤務がある時は、主に午後から夕方にかけてである。この時間帯に、本業のことや、身辺のこと、勉強や読書などをする。昨日と今日はその時間が潰れたことになる。非常に残念だ。
昨日は映画だった。これはギリギリ良しとしよう。きちんと見れなかったので中途半端感が残るが、もう仕方がない。済んだことだ。今日は心臓の動悸だ。これは原因不明である。こちらの方が怖い。
いつまで生きられるだろうか。その思いに駆られる。
そう言えば、先日、昼のワイドショー番組でタレントのふかわりょう氏が案外まともなことを言ってたのを思い出した。節約する時に一番に削られるのが医療費だという。病気になっても病院に行けず、自力で直さないといけない。そういう人が多いわけである。政府はお米券を配布するのも良しだが、国民の健康という観点にも立たなければならないのではないかといった主旨のことを話していた。
僕も同感である。そして、僕も医療費を節約しないとやっていけない人間の一人だ。僕の場合、医者嫌いなのもあって、みずから医療を拒否している側面もあるのだけれど。いつか近いうちに死が僕に訪れるにしても、病院で死ぬことはなさそうである。それだけは確実だ。
一般の人が医療費を節約するようになると、医師もヒマになるだろう。そのせいだろうか、近頃は「名医が教える〇〇の治し方」といった類の本がやたらと目につく。あれだけ刊行されているということは、その種の本が売れているのだろう。かく言う僕も2冊ほど持っている。視力と猫背のを持っている。どちらも真面目にやると確かに効果がある。あまり真面目にやってないので、僕の視力も猫背もそのままなんだけれど。それはともかくとして、なんでも自力で治さないといけない時代になりつつあるのだろう。
僕も自力で直す精神病の理論を持っている。いうなれば自己流の治療法で、一人でもできるというものであり、実際、僕も実践しているものである。ただ、これはできるようになるまでが相当難しい。とても本にはできないな。あわよくば僕も一攫千金狙おうかと思ったが、無理なようだ。
医療費節約だけでない。食べていけない人がたくさんいるのだ。生活していけない人たちがたくさんいるのだ。これから年末にかけて、強盗などの犯罪も増えるだろうな。
大分の大火災で被災した人たちもたいへんだろう。これから冬本番になるのに、住むところがなくなってしまうのだから。政府や自治体も支援していくだろう。彼らには支援があるだけまだ幸せかもしれない。
高市政権にはなんら期待しない。日中関係にヒビを入れ、それで困窮することになった日本人も多い。観光業や飲食店の打撃は大きいだろうな。中国からの観光客が激減するのだから。中国のやり方も賛成できないけれど、日本もうまく交渉できないものだろうか。
賃金も上がる見込みはなさそうである。政府もバンバン紙幣を刷って、雇用主を援助して、最低自給2000円くらいを実現してほしいものだ。そうして一度経済を潤滑させて、それから税金で徐々に回収していけばいいのに、とも思う。日本の貧困化はまだまだ続くし、出口も見えないという絶望的状況だ。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

