1月9日:事故を見る 

1月9日(金):事故見る 

 

 日中に買い物に行く予定をしていた。消耗品の類を買うためであり、何を買うかのリストまで作成していた。正確に言えば、そのうちの半分は昨日買っており、今日は残り半分を買う。二日に分けるのはそれぞれお店が異なるからだ。 

 今日は地元の100円ショップで買うはずであった。そこへ行ってみると、客がやたらと多い。普段はそんなことないのに、どうして今日はこんなに混雑してるんだ、憤慨半分と疑問半分といった感情で売り場の張り紙を見ると、ここも閉店するのだ。閉店セールで70%オフとかやっていた。100円の商品が30円で買えるのか、そりゃみんな集まるわけだ。 

 結局、そこでは買い物できず。リストにある品が何もないからである。非常に困ったことになった。100均の商品はどれも同じようなのが揃っているのだけれど、これに関してはその100均のがいいってのがある。だから他の100均では買えない。どうしようか。 

 とりあえず店の外に出る。100メートルほど離れたコンビニに灰皿が置いてある。一旦、そこまで行って、一服しながら考えようということにした。 

 コンビニ前でタバコを一服。こういう時にネットで検索しなけりゃと思い、実践する。その100円ショップの他の店舗を探したのだ。まあ、僕が言っているその100均というのは「キャン・ドゥ」である。寺町通りに店舗があるのか、そこへ行ってみるか。 

 

 コンビニ前でそんなことをしていると、とんでもないことが起きた。 

 道路を挟んで向かいの建物の駐車場に一台の自動車が停まっていた。その自動車がエンジンをかけるや、いきなり急速度でバックしたのだ。駐車場の後ろ、建物一階のテナントの窓ガラスを破損させた。その後、今度は前方向へ急発進して車道に出てきたのだ。幸い、他の自動車と衝突はなかったし、ちょうど市バスが通りかかったのだけれど、バスの運転手も異常を察知してバスを停車していた。 

 車道に猛進した自動車がコンビニに突っ込んでたら僕も怪我くらいはしただろう。しかし、車は右折した。急いでハンドルを切ったのだろう。でも、そこからハンドル操作できなかったのか、右折しすぎて隣の建物に衝突した。つまり、駐車場から発進して、Uターンする形で隣の建物に突っ込んだというわけだ。そこで自動車は止まった。 

 本当に一瞬の出来事だった。何人かの人が自動車の方へ向かった。運転手を救出していた。近所からも人が出てきた。僕は何もしなかったというわけではなく、これだけ人が集まったらすることはないだろうと思い、むしろ野次馬になって邪魔するのを控えようという形で協力することにした。つまり、その場を去ったわけである。 

 自動車の運転手はわりと高齢の人だったそうだ。間違えてバックで走らせてしまったのだろう。アクセルとブレーキを間違えたしたのかもしれない。パニックになってハンドル操作が分からなくなったのか隣の建物に衝突することになったのだろう。 

 

 高齢ドライバーの事故などのニュースは時折見かける。高速道路を逆走したとか、アクセルとブレーキを踏み間違えたとか、そういった事故の報道を目にすることがある。おそらく、その種の事故で報道されないものも数多くあるだろう。僕はその一つを実際に目の当たりにしたわけだ。被害を被った方々には申し訳ないが、ありがたい経験をさせてもらった。 

 認知機能が衰えるとあんなふうになるのか。歩きながらでも、電車の中でも、そんなことを考えていた。またピアノというかキーボードを弾かなきゃと思った。 

 話が飛躍したように聞こえるけど、認知機能の維持のためには音楽が一番いいと僕は考えている。脳トレと称して、パズルやったり、塗り絵をしたり、音読したり、いろいろなのがあるけれど、僕はそういうのは半信半疑である。効果は部分的だと思っている。 

 ピアノを弾く(あるいは他の楽器でもいいのだけれど)というのは、まず譜面を見ることで視神経を使う。音を聞くことで聴覚を使う。鍵盤を抑えるために腕、手、指先を使う。さらには足も使う。全身の筋肉と神経を使うわけだ。さらに、これも市販の脳トレ本では得られないことだけれど、演奏は情感を活性化する。だから楽器の演奏というのは、いくつもの心的機能を同時的に駆使している複雑な行為なのである。 

 認知症予防にキーボードをやろう、あらためてそう思ったというわけである。 

 

 寺町通りを歩く。この辺りは久しぶりに歩いたという気がする。こんなところに100均なんてあるのかなと思っている間に到着した。2階建てだが、こじんまりした店舗だ。レジは苦手なセルフのだった。でも、この界隈で足を運ぶ店のレパートリーが増えた。今度からはここに来よう。 

 結局買い物リスト商品買えず代用品で済ますことにした。なんとも上手く行かないものである。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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