6月9日:厄介な 

6月9日(火):厄介な 

 

 アルバイトにもそろそろ嫌気がさしている。コンビニだ。いや、コンビニ自体は悪くないし、僕の場合、そうして外の世界と関わることも多少はした方がいいので、できれば続けたい気持ちもある。昼間はカウンセリングの仕事をして、夜はコンビニの仕事をしてというのが理想だが、なかなかいい具合に両立できない。 

 

 昨夜も勤務した。ローソンだ。店舗診断というのがある。本部の人が覆面視察して、店舗がチェックされるというもので、点数で評価される。それが今月あるということでオーナーや店長はじめ、リーダー格の人たちもけっこうピリピリしてる。僕はそんなのお構いなしだ。普段通りのことをやって、ありのままの点数をつけてもらったらいいじゃないかと思ってる。 

 昨夜は深夜から雨が降った。少々の雨ならいいのだけれど、けっこう降った。僕は雨降りのための足ふきマットを店内入口周辺に敷いた。雨の日は必ず敷くものである。 

 しかし、日中にラインが入っていて、店舗診断が終わるまではこのマットは使用しないこととある。このマットがけっこうな年季が入っていてボロになってるのがその理由だ。つまり、そこで店舗診断の評価が下がってしまうことを上の人は危惧しているわけだ。 

 アホくさ、と思った。使い込んだマットだからボロになるのは仕方がないのだし、それに、雨が降っているのにマットを敷いていないっていうのもマイナス評価につながるのじゃないかとも僕は思ってしまう。 

 そもそも僕がそのマットを敷く理由は、雨の日は敷くというルールに従ってるわけではなくて、靴が濡れたままで店内を歩くと足を滑らせる人が出てくるかもしれないと思うからである。マットを踏むだけでかなりそれが防げると僕は考えている。お客さんが危ないからマットを敷いているだけである。店内が汚れるからというのは副次的な理由でしかない。 

 だから、今日のラインは、僕の観点からすると、店はお客さんのことよりも店舗診断を優先して考えているということになるわけだ。僕の観点に立つとそう見えてしまうわけだ。いや、実際そうだと僕は確信していて、この店の人がどれだけお客さんのことを考えているのかが疑問になることが多々あるのだけれど、それはまた別のところで書くことにしよう。 

 それはさておき、僕にはそのように見えてしまうので、その都度、この店がイヤになってくる。このグループには冷たいクルーが多すぎると僕は感じている。 

 

 さて、この店には一人外国人のクルーがいる。僕はかなり彼を批判的に眺めている。彼が外国人だからという理由ではなく、彼が仕事をしないからである。パンが納品されたら検品をしないといけない。一つ一つの商品をスキャンして、入荷予定数と実際の納品数とが一致していることを確認しなければならない。納品量が多いとなかなか手間のかかる作業である。それでも個々の商品を検品しないと、一個だけ欠品があったとかいうことに気付かないままになってしまう。けっこう重要な仕事なんだけれど、この外国人はそこを省いてしまう。一個検品して、あとはすべて数が合っているものとして処理してしまうのだ。今朝もそれをやりおった。過去に何度かそれを目撃している。目撃してなくても、見ればわかる。個別検品をしていくと、トレーが移動しているはずなのである。トレーが積み重なったまま検品することなんてできないのだから、きちんと検品をすればトレーが動くことになるわけである。検品が終わったらトレーがどういう状態になるか、ある程度パターンが決まっているものである。 

 彼に関しては他にもいろいろある。それ一つだけじゃないってことだ。繰り返すのだけれど、彼が外国人だから冷たくしてるというわけではない。彼が仕事でインチキをやらかすから信用できないのである。僕の中では、以前書いたU婆と同じようなポジションに彼は位置しているのだ。ちょっと厄介な人間になりつつある。 

 そう言えば、彼は以前U婆がやったのと同じことを今日もしていたな。ああ、あれと同類なのか。そう思うと愕然とする。やっとU婆の悪夢から解放されたかと思いきや、同じようなのが新たに現れたことになるわけだ。やってられないな。 

 

 その外国人だ。先ほどパンの検品のことに触れたけど、僕は僕なりに彼に時間を与えているつもりでいる。そんなにバタバタしなくてもいいように配慮しているつもりだ。本音を言えば、パンの検品と陳列は一時間以内に終わらせてほしいと思っているのであるが、彼には二時間与えているのだ。一時間で終えて、次の一時間に他の作業をしてほしいと思っているのだけれど、他の作業は極力僕の方でやるようにして、彼には時間を与えているのだ。 

 彼の休憩時間もしっかり確保するようにしている。僕の休憩時間は仕事で潰れるけれど、彼にはしっかり休憩をとってもらうようにしている。彼の休憩中に仕事を頼んだりすることはない。 

 僕の方でそんな思いがあるから、彼のインチキが尚更許せなくなってしまうのかもしれない。検品もきちんと教えたはずなのに、教えた通りのことをせず、インチキをやらかすというのは、なんだか裏切られた気分になるし、僕の方で無駄な努力をした気持ちになる。僕にとってはこういう人が一番厄介だ。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

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